究極の家は結局のところ和なのか
どうやら最近「和」が好きになってきたらしい。
中古の家探しをしていて、リフォームを妄想し始めて。
ショールームにぶらりと行って。色々な本やサイトを見て。
知識がついてきた。と共に行き着いたのは。
内装は漆喰や珪藻土。
フローリングは無垢材。
ツーバイフォーより在来工法より伝統工法。
畳部屋は3畳でもいいから欲しい。
屋根はホンモノの瓦。
とにかく木。サッシもアルミでなく木。
これって普通に昔の日本の家じゃない?
なんでも洋風好きで、日本家屋古くさ、ダサって思ってた。
東京23区内で最先端のハイテクマンションに住んでいた。
新築バンザーイ、って思ってた。
実際に新築マンションから数百メートル先の新築マンションへ引っ越したくらい。
とにかく新しいのがいいと思ってた。
家建てるなら新築に決まってるでしょ、と思ってた。のに。
最近古いのがいいと思い始めた。
どうせなら真壁(しんかべ)の家。
大壁(おおかべ)というのは柱の見えない洋風の家。
昔の家は外から見ても中から見ても柱がどこにあるか分かった。
今の家はわからない。(和室でさえ見せ柱と呼ばれるニセモノを張り付けているだけかもしれない。)
三匹のこぶたのお話では木の家はダメってことになっている。
でも日本の木でできている木の家というのは湿度の高い日本の風土に合っているらしい。
脆い印象もあるが、木自体はシロアリ除くと防火性能もあったりして(燃えるのに時間がかかる)案外長く使えるものらしい。
耐震性能が低いっていうのも、敢えて壊れるようにしている、と聞いた。
確かに重い瓦を支えるとバランスが悪い。
しかも本気の伝統工法になると木組みは差し込んでいるだけで金具を使っていない。
台風やら地震やらで倒れたら村人総出でみんなで元に戻してたんだと。
落ちたり外れたりしても木や土はすべて元に戻せる、そういう仕組みだったんだそうだ。
なるほど。なるほど。
そういう話を聞いても面白いねふぅん、て感じだったのだけど。
むむっと唸る発見をしてしまった。
シックハウス、という言葉。うんうん聞いたことがある。
と思ってたら、ひとごとじゃなかった。
小学校2年生の時に親が新築の家を建てて引っ越した。
元々風邪ひきやすい子だったけど、その年から喘息で激しく苦しんだ。
ホルムアルデヒトの値なんてチェックされていなかった時代。
ツーバイフォーの家とはつまり接着剤で板を張り合わせた合板(ごうばん)だらけの家。
新しい壁紙クロス(ビニールクロス)。
無垢ではない合板のフローリング。
化学物質だらけの家だったはず。
花粉症なんていう言葉がまだ無かった時代。通学路の杉林の近くで鼻水くしゃみが止まらなくなって困った。
そういうことか。
と今さら気が付いた。
自分の子供にはアレルギーや喘息の苦しい思いをさせたくないからと、掃除に気を使ってきた。食べ物にも気を使ってきた。
でも気にすべきはそこでは無かったのかも。。。
今、家をフツーに建てると化学物質だらけらしい。
こないだ近所でどーぞ入ってみてと言われて新築の建て売り住宅を見学してみた。
入った途端、ツーンと匂う。
(しかも建具など賃貸レベルの安っぽいクオリティ)
これは新しくても住みたくないな、と思った。
今、マトモな家を建てようと思うと高い。
技術のない誰でもできる安い建築、が求められているから。
技術のある職人さんがいないから。
古い家をリノベーションするのがいいのかなぁ。